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西村です。
デザインウィーク京都
今年で5回目となるオープンアトリエを巡るイベントです。
作家モノではなく中小企業のものづくりの現場が身近に見られるので、よりコアな知的好奇心を満たします。
私が訪れたのは東山の蘇隆窯「そりゅうがま」という窯元さんです。
福岡は小鹿田焼きの姉的存在である小石原焼の娘さんが京都の陶学校で学び、
その時の同級生であった清水焼の窯元の息子さんと出会い、ルーツの違う窯元のお二人がご夫婦で
新しいものづくりをされています。
柳宗悦やバーナードリーチが滞在したことでも世界的に知られる民藝の小鹿田焼き、
素朴な色合いと食材を引き立てる飛び鉋の技法が人気です。
そのルーツでもある小石原焼と、
かたや都の高級品とされていた青磁の清水焼がどのようにマッチして作陶されているのか気になる窯元ではありました。
今回は焼くまでの工程を見せてもらえます。
京都では土が取れないので、豊岡の磁器用の磁土を使っています。
その土を、空気を抜き整えるように練っていきます。
菊練り
これを習得するのに3年かかるそうです。
清水式、胡坐で右回りのろくろで作業するだんなさんと、
小石原式、座って左回りのろくろで作業する奥さん。
お互い、得手不得手の工程を協力して作陶されています。
湯のみの径と高さを計って同じものを作っていく職人技。
次に、飛び鉋の模様を付けるところを見せてもらいます。
使う道具は、ゼンマイ式時計から取り出したゼンマイの部分。
それを回るうつわに引っかけ、手ごたえで模様を付けます。
その間わずか2秒ほど。
ぜんまいの掛かる音を耳が捉えた刹那、均等に(でも均等過ぎない)
美しい飛び鉋が入った模様が目に入ります。
思っていた付け方と全然ちがった!!!
実際に見るととても面白い工程で感動します。
小鹿田焼きより少し優しく、スタイリッシュで高級感を感じさせる小石原の雰囲気が、
青磁の艶やかな表情によく合っていると思います。
その飛び鉋が入ったあと、釉薬を染み込ませて焼いていきます。
みるみるうちに釉薬が染み込んでいき、さらっとした手触りになって不思議です。
青磁に鉄の多い釉薬を点描したオリジナル商品も素敵でした。
香港からのお客様も熱心に質問されていました。
普段、織物ばかりしている身としては他分野のものづくりのなんと刺激的なことか。
そして飛び鉋の様に、見せられる華のある製作工程があることが羨ましい。
蘇隆窯のご夫婦の説明はとても分かりやすく、
商品も洗練されていて買いやすい価格でしたし、
普段使いや贈り物にちょうど良いうつわだと思います。
アクセサリーや陶芸教室もされていたので、
また折りを見て伺いたいと思います。
デザインウィーク京都、思いがけない出会いがある良い機会です、
3/1までですので是非お出掛けください。