JUGEMテーマ:美術館
奈良の国立博物館で開催中の「藤田美術館展」へ行きました。
改装工事中の大阪の藤田美術館は、明治時代の実業家である藤田傳三郎、長男の平太郎、次男徳次郎が集めた美術品を所蔵している美術館です。
以前行った時には、ごく一部だけしか見られなかったので、この企画はとてもありがたいものです。
滋賀県のミホミュージアムでは、先月、大徳寺龍虎院の曜変天目茶碗を見ることができました。
今回は世界に三碗しか現存しない曜変天目茶碗のもう一つを見ることができます。
長い行列を覚悟していったのですが、たまたますいている時間帯だったのか、10分も待たずに見ることが出来ました。
茶碗の中に宇宙がある、と称される曜変天目茶碗。
まさに、奇跡の神秘的な美しさ。引き込まれていきそうになります。息を止めて見つめてしまいます。
約八百年前に奇跡的に誕生したというこの曜変天目茶碗は、まだまだ謎が多く、科学的な分析研究もされているようです。
多くの人が引きつけられた曜変天目茶碗を、続けて見られて幸せな時間でした。
藤田氏が「国の宝」として集めただけに他にも素晴らしいものがたくさんありました。
古銅角木花入、とその盆もきりりと美しいものでした。
千利休が見て驚いた、と書いた書状が隣に展示してありました。
絵巻物、仏像、仏具、装束、どれも素晴らしいコレクションでしたが、特に印象に残ったのが、小さな辻が花の裂地でした。
とても繊細で、絞り染も墨描きもとても美しく、これが着物の形で残っていれば縞に染められたモダンさと相まってどんなに素敵な着物だったろうかと思いました。
見ごたえのある展示に大満足の休日でした。
藤田美術館が新しくなったら、また、訪れてみたいと思います