JUGEMテーマ:美術館
木村葉子です。
京都高島屋美術画廊では、初めての紫舟さんの個展があったので、見に行きました。https://blog-kyoto.takashimaya.co.jp/art/post/37676
NHK大河ドラマ「龍馬伝」や美術番組「美の壺」の題字は有名ですが、海外でも書家でもあり、現代アート作家の1人として広く活躍されています。
書だけでなく、得意の絵と書との組み合わせや、書を立体的に彫刻にした「書のキュビズム」なども一部展示してあり、狭い美術画廊にはエネルギーが溢れていました。
6歳から書道を始めて、小学生の時には八段に上がる!というエピソードには驚きますが、以前、ラジオに出演されていた時、その書道の先生が大変厳しい方だった、と言われていました。
やはり、幼い時に稽古に費やした時間と経験が、基礎にあり底力となっているんでしょう。
最近聴いた講演の中に、「稽古」についてのことがあります。https://book.asahi.com/article/12424134
「型」かた、というものがあり、それを真似て近づけるように稽古をする。
繰り返し稽古をするうちに、型が身につくと、型にハマるのではなく、逆に型を気にしなくても楽に動けるようになる。それが、武道、茶道、華道、書道、舞踊、音楽、などいろんな道にあり、稽古を繰り返し積み重ねていくことで、無駄な動きがろ過されていく。
型に近づいて、体得して、型から離れて、新しい表現が生まれていく。
紫舟さんの自由な書の表現を見ると、そのことを実感します。
書という紙の上の文字が、力強く立体化されて、文字以上の力を私たちに訴えかけてきます。
筆という、古くからある道具の持つ表現力に驚かされます。
機会があったら、もっとたくさんの作品を見てみたいと思いました。