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西村です。
いつもブログを読んで頂きありがとうございます。
先日、見学に来られた方が熱心に聞いて行かれたのがこの、
織る際に動かす部分である、カマチと杼でした。
この真ん中の四角い木枠を手で引き寄せ、筬を打つのが手機の特徴です。
人力で打つので、帯のコシや風合いが職人によって決まるのです。
そして糸が入っているのが杼(ひ)という道具ですが、
その造りに、見学の方が感心しておられました。
大杼(おおび)にはこのように糸が設置され、くぐらせる穴の数によって糸の張りを調節しています。
このY字になった部分にも小さいバネが仕込まれあそびがあり、
さらに細かく張りの調節をしています。
小さな一部ですが、この働きによって帯の耳付きの美醜が決まるのでとても大切な部品です。
そしてその糸の通り道はこの白い部分なのですが、
これは陶器で出来ています。
糸が滑って出てもささくれが出来ないようになっています。
そして杼が走るために木の駒がタイヤの役割をしています。
銀色に見える部分は鉛が入っていて適度な重りの役割をしています。
軽すぎると杼が飛んでしまいます。
尖がっている端は真鍮です。
杼はこのように、専門の杼職人しか作れない精巧な造りになっているのです。
そしてその杼をセットして、手前の持ち手を引くと、
奥の逆Y字のひもが動いて杼が走ります。
そして杼を受け取るのがこの丸い革で出来た部分。
これらカマチに付いている杼の受けを「さる」と言います。
動物の猿の手みたいな動きをするからかな、と個人的に解釈しています。
と、
これらが全てリズム良く動いて初めて織物は織れていきます。
隅々に古の知恵と工夫がされていますね。