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木村葉子です。
帯屋捨松では、毎朝、本社の奥の座敷にみんな正座して朝礼をします。
朝礼当番は1週間で交代して回ります。
その1週間の中で、何か本とかイベントとか気になること、感想などを紹介することにしています。
先日私は「目の見えない白鳥さんとアートを見にいく」という本を紹介しました。
誰もが、え?見えない人が美術館に行くって?と思いますよね。
とても興味が湧いて本を買い、読んでいく中で、何度もハッとさせられて、反省したり、考えさせられたり、笑わされたり、白鳥(しらとり)さんの魅力に引き込まれていきました。
読み進めていくうちに、白鳥さんが全盲であることなど感じなくなり、けれども、逆に私たち見えている者が、気がつかないこと、見えずにいたこと、の方に思いが至り、多くのことを考えさせられました。
そしてこの本と、一文字だけ違うドキュメンタリー映画「目の見えない白鳥さん、アートを見にいく」が、京都出町座で上映され、アフタートークにご本人もいらっしゃる!というので、是非!と見にいきました。
私の友人で、聴覚障がいのあるKさんと、手話ができるお友達Fさん、と3人で見に行き、アフタートークにも参加しました。
映画は、元にあった短編のドキュメンタリー「白い鳥」をさらに長く深くしたものでとても面白く、あっという間でした。
アフタートークも満席でした。
耳が聞こえないKさんに、この本を紹介したところ、読みたい!と言われて貸してあげました。共感する箇所がたくさんあった、全部を3日で読んでしまった、是非私も参加したい!とのことだったので、アフタートークも楽しみでした。
白鳥建ニさん、監督の三好大輔さん、本の作者で共同監督の川内有緒さん、題字デザインの矢萩多聞さんのお話は、とても楽しく、白鳥さんもユーモアたっぷりに、いろんなエピソードをお話しくださって、とても盛り上がりました。
質問コーナーでもたくさんの手が上がりました。
全盲の方も1人いらして、スマホで映画を楽しめるアプリを利用して見られたそうです。「生まれて初めての映画です。とてもよかったです!」と言われ、全員が感動した一言でした。
私も聞いてみたいことがあったので質問しました。
白鳥さんはたくさんの美術館に行かれていますが、何か作りたい、たとえば粘土とか彫刻とか、絵とか、表現したいとか思うことはありますか?
気になっていたのです。
でも答えは「無いです。でも今、カメラで撮影するのが私にとっては表現だと思います」でした。
写した写真を白鳥さんは見ることはできないのですが、歩きながらしょっちゅうシャッターを押して多くの写真を撮るのです。それが、連続してコマ送りの映像となり、不思議なアート作品のような感じがします。
Kさんも共感したことや感動したことなど一生懸命に伝えていました。
本やパンフレットにサインをしてもらったり、一緒に写真を撮らせてもらったり、とても嬉しいひとときでした。
これから全国のあちこちで上映会とアフタートークが予定されているそうです。
けれども白鳥さん自身は、有名になってしまったことが嬉しいわけでもなく、淡々としていらして、自分の好きなことを続けたいだけ、という感じでした。
本も映画もおすすめです。
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