京都祇園にある今井三絃店
http://www.seifu-supports.com/imai/
https://twitter.com/imai_sangenten
先日、撥の修理で伺いました。
入口の引き戸を開けて直ぐが作業場となっており、五代目になるご主人が皮の張替えをされていました。
三味線の製造、修理、販売を一貫して行ってられるお店です。木から削り出し、最後の皮張りの工程までを手仕事にこだわっているところが捨松とも共通するなと感じ、お仕事場を見学させてもらいました。
仕事と向き合う時に心掛けていることは「平常心」あまり気を構えないことと仰います。それでも三味線づくりで一番要となる「皮張り」は今でも気が抜けない緊張する時間だそうです。皮が破けるか破けないかの限界を見極めて固く貼る。かといって貼り過ぎて弾いてすぐ破けてはいけない。毎回使う皮は同じではないので熟練を要します。
実際に納めた義太夫三味線が演奏中に破けたことがあったそうです。
一見、駄目なのかと思いますが、演奏家の方からは「よく張れているから腕が良いと」認められ、それがきっかけで新たな依頼を受けるようになったとのこと。
お客様からの信頼を得て継続していく心構えは説得力があり、勉強になりました。
この日、貴重な三味線を拝見させてもらいました。(フラッシュがオンになってたことに気づかず見にくいです・・・すみません)
胴の四面や天神の表裏の細部まで「宝尽くし」の模様が蒔絵で施され、糸巻金具は「梅」リンドウは「鶴」が彫金で装飾された豪華な一品。
江戸時代のもので、当時の身分の高い娘さんの嫁入り道具として作られたのではとのこと。
令和の時代に今井さんの手で蘇りました。音色がとても奇麗です。
仕事場の風景
棚には次の皮張りの胴が今はひっそりと控えています。
整頓された道具類。
三味線の棹や胴は草木染の染料にもなる紅木・紫檀の木が主に使われます。
左が紅木、右が紫檀の刻苧(コクソ)
草木染とも関連するとは、これまた勉強になりました。
初心者の質問に分け隔てなく、時よりユーモアも交えて分かりやすく教えて下さいました。初めて知ることも沢山。よい刺激になりました。貴重な時間と撮影のご協力をありがとうございました。
今井さんは祇園「都をどり・祇園をどり」の現場へ赴き調律、修理を行い、音の高低を決める大事な役割も担ってられます。京都の文化を支える貴重な職人さんです。
最近始められたツイッターには三味線作りににまつわる情報も発信されています。面白いので一度、ご覧になってみてください。