しまつのよい仕事〜紐〜

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田中です。

 

織屋では、ハンパの糸がどうしても出てきます。

少しづつ残った糸は残しておいても仕方ないので、

とりあえず枠に繰られます。

色んな色が混じってしまった糸で紐を結います。

まず、釘などに端を引っかけて二重にします。

それを、縄を結う原理で、手の平でこすり一方向に撚りをかけます。

手前の方を釘に掛け、半分にして、今度は逆に撚りをかけます。

撚りを慣らしたら紐の完成です。

程よい太さで柔らかく、引っ掛かりのない紐は畦取りの際に使います。

畦に紐を通し、また次に使う用に経糸を残すためです。

仕事で出たソツが丈夫で優秀な道具に変わって活躍します。

 

こういった始末の仕事もまた仕事の重要な一部です。

なくてもなんとかなるが、あればとても役に立つ

それを面倒とやらないでいると、ものづくりの現場は快適ではなくなります。

 

先人からの教えがそこかしこに存在する工房です。

 

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西陣織の証紙

 

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  智也です。

 

 西陣織に証紙があるのはご存知でしょうか?

 

                   

 

 通称メガネ証紙と言って、西陣織工業組合が発行している西陣織を証明するためのものです。

 帯の種類ごとに分けられていて、袋帯などは金色ですが、京袋など色が分けられているものもあります。

 

 帯の種類の他に数字がありますが、これはメーカーごとに個別に割り当てられた番号で、証紙番号と言っています。

 証紙番号はメーカーが廃業されたりすると欠番になり、その番号はその後使われることはありません。

 新規登録者には新しい番号が割り当てられます。

 

 現在2500番台まで増えているようですが、実際のところ中には欠番も多く、メーカー自体は減少の一途をたどっています。

 

                  

 

 帯屋捨松の証紙番号は48番。

 西陣の中でも証紙番号をもらったのが早い方だったようです。

 現在一桁台、二桁台となると老舗という扱いの織屋が多いです。(決して老舗順というわけではないです)

 

 ちなみに西陣織工業組合のホームページでは、証紙番号からメーカーを検索することができます。が、いまトップページから検索 に飛べないようですので以下のリンクからアクセスしてみてください。

 

http://www.nishijin.info/member.htm

 

 街で西陣織の帯を見つけたら証紙番号を見てみてください。

 メーカーを知ると織屋ごとの雰囲気や特色も分かって、より一層帯や着物を楽しめるのではないでしょうか?

  

 

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たたりで糸を繰る

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田中です。

 

「職人のしごとは月〜金で土曜は始末」と聞いたことがあるのですが、

まさに「始末」とはただの片付けならず、大切な仕事の一部です。

少しづつ使っている間にぐちゃぐちゃになり糸繰機では繰れなくなった細い糸たち。

張り弛みが出来て毛羽立ってしまい、乾燥した手に引っかかって使えたもんじゃなくなってしまいました。

これは「たたり」という道具です。

シンプルな造りなのに大変賢く、しまう時は省スペース、と

入社当初はこれを見て感心しました。

暴れた糸をかけて上に糸が出るようにし木枠に繰っていくと、

暴れていた糸が少しづつ出てきてくれます。

ケバなどは取り除き、継ぎ節は出来るものの問題なく使えるようになりました。

 

他社さまですが、わかりやすい画像があったのでリンク張らせて頂きました。

http://www.kk-yamashiro.com/sub32.html

 

 

 


ヌキの計算

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田中です。

 

捨松では、新しいデザインや配色を織る際、必ずメザシと言って試し織りをします。

その時に使う糸を管に巻いていくわけですが、どれだけの量を巻けば足りて無駄がないか、を図を見ながら計算で出します。

一本の管に巻ける量も限られているので、それも算出します。

余った糸も使うので全くの無駄ではありませんが、できるだけちょうどの量でできるように。

管が巻けたらやっとメザシが織れます。

織るまでに多くの人の手がかかって大切に作られています。

 

 

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金糸マイスター

 

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          1掛金糸

 

             

 

             3分金糸

 

                

 

           羽衣金糸

 

                

 

織機で使用する定番色の金糸は納品前に全て人の手で検品してもらっています。


1人の職人さんが指先の感覚で、玉結びになっている伏しや裏撚(撚りが反対になり、色が変色して見える部分)を見つけてカットし、機結びで継直します。

 

これを5000メートルに検尺しながらコーンへ巻き取っていきます。

 

経用金糸になるると50個近くの数を約一週間かけて検品されます。

 

 こうするこで、金糸はコーンからスムーズに引くことができ、織り上がりも美しくなります。

 

 玉結びや裏撚部分を織り込むと目立った筋になるなど、生地に影響してくるので。

 

 検品したての金糸はより輝いて見えて、それだけでも美しいと感じます。

 


機針(ハタバリ)

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 ハタバリは絹幅を一定に織り上げるために必要な道具です。

 竹でできており、両端に針が付いています。

 修理前

              

 織り手さんは30本程の数を手元に置き、織りながらハタバリをかけていきます。

 一定の長さ迄織れると外し、またかけていく動作を一反織り上げるまで繰り返します。

 毎日使っているとハタバリは消耗し傷むので、定期的に専門の職人さんへ修理を出します。

 修理へ出す前のひと手間。

              

 お湯に浸けて針周りの紙を剥がし、同時に余分な汚れを落とします。

              

 弊社が依頼している職人さんは、ハタバリをご夫婦で作っておられます。

 針を通す溝、針を固定する溝を彫る仕事はご主人にしか出来ない技術だとか。

              

 溝に通した針を奥様が銅線で固定していくのだそうです。

 他にも引箔を織る時に使う道具「ヘラ」も作っています。

 これらの仕事ができるのも、西陣界隈では一件だけとなりました。

 無くてはならない材料なので、可能な限り作り続けてほしい思いです。

 修理を終えると、新品同様に仕上がってきます。

              


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引箔

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 田中です。
 
 前にも載せたかも知れませんが、引箔と言って和紙に金箔を塗布したものを細く切って織り込む技法があります。

             

 引箔だと風合い良く、帯が軽いものになり高級感も出ますが、織るのに技術や手間がかかってきます。

 そしてこの引箔の下準備にもひと手間かかっています。

 これは納品時の状態です。

             

 耳と言って両端に使えない部分があるので落としていきます。

 まずは端の白い部分を一気に落とします。
 

             

 次にレ点の印を目印に、端の塗料が塗れてない部分まで切って落とします。

 これで要らない部分を省きました。


             

 これで完成です。

              
 
 こちらの色も、白い部分を切って塗料の要らない部分を落とします。

              

 この端の部分が残っていると、帯になった時にキズになります。

              

 これ1枚、正直材料の時点でコストが高く、年々作れる色が少なくなってきているのが現状です。

 それの真ん中部分だけを贅沢に使う商品になります。

 紙とはいえ、ミツマタの和紙なので軽くてとても丈夫です。

 良い材料を帯にして、皆さん締めて欲しいです。          

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お絹直し

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 商品が織り上がると、たまに傷物が出来ます。

                   

 
ジャガードや機の故障・織手さんの糸の入れ間違い等
一ヶ所でもあれば商品になりません。

                   

 
かけつぎ屋さんに頼むこともありますが、直せるものは
自分たちで直します。

                   

 
これも諸先輩から教えてもらった技術の一つです。


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  智也です。
 
 大学時代の先輩の結婚式の余興をしました。
 軽音楽サークルだったのでバンド演奏をしたのですが、演奏曲の中に中島みゆきさんの「糸」がありました。
 この曲を知った時から歌詞がすごく好きだったのですが、機織りを始めてからさらに歌詞が心に沁みるようになりました。
 
 縦の糸はあなた   横の糸は私
 会うべき糸に   出会えることを
 人は仕合わせと呼びます /中島みゆき「糸」
 
 織りを題材に人の出会いをこんなに美しく表現できるなんて…と何度聴いても感動してしまいます。
 
 先輩の式も先輩らしい、本当に良い式でした。
 
 
 機織りをしていると、たまにやってしまうミスがあります。
 「胴ヌキの越間違い」です。
 柄の部分を出すための横糸を、通すところを間違えて織り込んでしまうことを言います。
 
 下の画像の中で、白色の部分に不自然な黒い線が入っているところが間違っている箇所です。

                 
 
 しかし、これでこの商品がダメになるかというと、そうではありません。
 大変な作業ではありますが、1色ずつ、1越ずつ、戻ってほどいていき、問題の箇所まで戻ります。
 そこで正しい色のヌキ(横糸)を越し直せば、全く問題はありません。
 
 その戻る作業はなかなか根気がいるもので、自分が積み重ねてきたものをほどいていくのは複雑な気分です。
 間違いに気づいたところまでやっと戻ってこれると、あぁなんとか元通りになった、とやっと安心です。
 そしてまた、新しく続きを織っていきます。
 
 中島みゆきが人の出会いを糸に例えたのも、そういうやり直しがきくところがあるからではないかと思います。
 間違いに気づいて、1越ずつ戻っていくこと。
 縦糸がうまく上がらなければ横糸もうまく戻りません。
 お互いの思いやりが大事なんだと思います。
 
 
 熊本では、阪神大震災を超える大地震が起きてしまいました。
 熊本城や阿蘇神社など、歴史的にも価値のある素晴らしい建物にも被害があり、まだ行方不明のまま見つかっておられない方もい ます。
 体は無事でも、避難生活を余儀なくされたり、知り合いの方が亡くなられたりと精神的には大きな負担がかかっている方も大勢い らっしゃると思います。
 
 被害は甚大で、今は何も考えられないかもしれませんが、一歩ずつ前進していけば必ず復興の道は開くと思います。
 
 私たちも遠い地からではありますが、1日も早い復興を願っています。
 微力ながらも私たちが熊本のためにできることを考えて行動したいと思います。
 
 縦の糸はあなた 横の糸は私
 織り成す布は いつか誰かの
 傷をかばうかもしれない /中島みゆき「糸」
 
 今回の震災で亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。


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摺箔

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 木村智也です。
 
 初めてブログ更新します。

 今年から製造部で手織の機を織り始めました。

 熟練の職人さんが簡単そうにやっていることでも、自分でやってみるとそんな簡単には行かず…。

 帯を織ることの奥深さを知る毎日です。
 
 今日はいま織っている帯を紹介します。
 
 私がいま織っているのは、「摺箔(すりはく)」という種類の帯です。

 引き箔という和紙に金箔を貼り細かく裁断したものを1枚ずつ織り込んでいくという技法で製織されています。
 
※耳からチクチクと出ているものが引き箔。

             
 
 1枚ずつ、箔を竹のヘラに引っかけて裏返らないように慎重に引いていきます。
 
 ※箔を引いているところ。ひっくり返るとやり直しなので慎重に。

             
 
 実際に織り上がると、紬の糸の風合いと箔の光沢感が合わさって摺箔の独特の生地風に仕上がります。
 
 ※摺箔「白鳳文」

                 
 
 やはり手間をかけて出来上がる帯は良くなります。

 良い帯が出来上がるとまた良い帯を作ろう!という気持ちになれます。
 
 しかし、摺箔は1時間織っても進むのは数センチ…!

 まだまだ先は長いですが頑張ります…泣


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